ゆったりと流れるまほろば路で私らしく開店中 個性派オーナー・インタビュー

喫茶卑弥呼庵。自宅をそのまま「喫茶・卑弥呼庵」にして11年。リピーターのお客様が増えてしまう山東さんご夫妻のいつも自然体。

天理市柳本町にある田舎家の喫茶店「卑弥呼庵」さんには、最近風景街道まほろばのメンバーで山の辺の道を歩いた折、2度ほど立ち寄っています。お店は山の辺の道あたりの普通の田舎家です。そのお家の座敷や縁側に上がらせてもらってお茶することができるって、ちょっと不思議な体験。ママとマスターである山東さんご夫妻のなんとも大らかな自然体の秘密をちょっぴり垣間見させていただくことにしました。

自宅の座敷をそのまま喫茶店にとは、かなり大胆ですね!

弓手(陽) 喫茶店ということなので、
遠慮せずご自宅の座敷に上がらせてもらいました。
最初からこのスタイルですか?
山東(夫) 本当は、定年を機会に別の場所でお店を始めようと二人で計画していたんです。
そんなとき訪ねてきた友人が、「いっそこの家を茶店にしたらどうなの」って
ボソッと言ったんですよ。
山の辺の道が好きでよく歩きに来る堺の友人なのですが、
「このあたりは休憩できるお店はおろか、 田んぼばかりで
お弁当を広げられる木陰も少ない」
といつもこぼしていましたから。
山東(妻) 私はその言葉にちょっと心を動かされましたの。
この家の離れでずっとお花の教室を開いていましてね。
お花ってお茶席に飾るために活けるという大切な役割もあります。
そういうお稽古でお花を活けてお茶の会をすることも結構ありましたの。
「その延長でやってみるのも面白いかも」って思ったわけ。
夫の定年後はお花ひとつ活けるにしても、
夫一人に見るだけじゃ何か静か過ぎて寂しいし、
同じことならお客様を座敷に上がってもらってお点前をしてもかまわないかなーって。
山東(夫) 実はうまいぐあいに別の友人が喫茶店向けにコーヒーを扱っていて、
しばらく教えてもらうことができたんです。
で、妻のお茶を真似してイタズラ心で抹茶茶碗でたてたコーヒーに
フレッシュ多めに入れて茶筅で泡立ててみたら
一味違うまろやかな味になったのですね。
コーヒーもお点前でっていうのも面白いなと思って。
和風コーヒーというメニューにしたんです。
お客さんには、親戚の家感覚でたまに来て、
縁側から三輪山や景行天皇稜の長閑な借景を眺めながら
ボケーッとしていったり、
私たちと心行くまでおしゃべりを楽しんでいただくのが一番のメニュー。
そういうのがコンセプトですね。
なので、喫茶メニューそのものはあれこれ考えず、
抹茶と和風コーヒーだけにしました。
そんなことであまりお金をかけずに開業できたのも
自宅開業のメリットだったかと思います。
弓手(陽) この場所なら、自宅感覚の素朴なおもてなしというのがあってもいいと
考えられたわけですね。
和風コーヒーをいただいてみて、
たっぷりとボリュームがあるので
座敷の柱にでももたれながらのんびりといただくのにぴったりですね。
季節にもよるかと思いますが、
お客様の滞在時間は実際にどんなものでしょう。
山東(夫) 春から5月の連休にかけては、団体で来られるお客様が多くて
観光バスの団体さんで てんてこ舞いすることもあります。
たまにはいい刺激にはなりますけどね。
その点、秋は1~2人連れの客様が多くて、
ひなびた雰囲気をお楽しみいただけます。
ゆっくりしていかれる方は半日くらいのんびりと本を読んだりして
過ごされる方もありますよ。

(つづく)

和風コーヒー親戚の家感覚

卑弥呼庵
山の辺の道・柳本で山東政幸さん伊勢子さんご夫妻が営む
和風民家の自宅をそのまま使った喫茶店。
政幸さんが定年退職した平成10年に開業。
メニューは
「抹茶(和菓子つき600円)」と「和風コーヒー(400円)」だけだが、
話し好きなご夫婦とのおしゃべりやのんびりと長閑な風景に浸りに
日本全国から訪れるファンが絶えない。

所在地:天理市柳本町2994(R169渋谷バス停より東へ徒歩8分)
電話:0743-66-0562
営業時間:9:00AM~17:00PM

-2009・8・14-
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