| 弓手(陽) |
それにしても卑弥呼庵という名前、とても心に残るインパクトがありますね。 もしかするとネーミングのとき、奥様のミステリアスな雰囲気と卑弥呼を重ねはったの? なんて思ったりもしたのですが。 |
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| 山東(夫) | そんな大げさな(笑)。 たまたま定年直前の平成10年1月に、 同じ柳本の町内の黒塚古墳で 33面の三角縁神獣鏡発掘されたという発表がありました。 卑弥呼の鏡として全国的な話題になって、 現地説明会には2日間で3万人近い人が訪れました。 地元の人間としてまだ興奮が続いていましたから、 郷土の誇りにあやかって名前をつけただけなんです。 |
| 弓手(陽) | お店が山の辺の道から少し路地を入ったところにありますよね。 でも卑弥呼庵という名前には隠れ家を探す楽しみみたいなものも秘めているし、 古代史ファンは一度は訪ねてみたいロマンを感じると思うんです。 お客様と卑弥呼のお話などもされますか。 |
| 山東(夫) | 邪馬台国の歴史への興味は一般の人と同じレベルです。 そこのところを誤解されて学者さんなどが来店され話しかけられることもあります。 そんなときは「もともと建築分野で役所にいた人間なので どちらかといえば歴史の壊し屋さんだったかも」 とざっくばらんに先手を打つことにしています(笑)。 |
| 弓手(ひろ) |
ところでお二人は結婚されて何年になりますか。 馴れ初めなども伺えたら嬉しいですが。 |
| 山東(妻) | 大阪から嫁いできて今年で40周年、ルビー婚式ね。 私の田舎好きを知っている高校の友人の紹介なの。 こちらを見に来て、お婿さんのことは二の次、 山の辺の片田舎の風景や、当時は古色蒼然としていたこの家を見て いっぺんに惚れてしまったわ。 私が好きなのは田舎だけじゃなく、 お茶やお花をはじめ日本の古くからあるものすべてが大好きなんです。 朝目が覚めて、目の前に広がる緑の景色が毎日違うのが新鮮。 門を入ったらいっぱい飾ってある蔓編みの蔓も ちょっと歩けば山でいくらでもとってこれるし。 明日は何しようかなって40年退屈したことがないのね。 わたし的にはもっとへんぴな田舎でもよかったくらいだわ。 |
| 弓手(ひろ) | うちの夫婦も奈良の田舎に惚れて引越ししてきたのですよ。 心強い同士に出会った感じがします。 政幸さん(ご主人)にとって山の辺の田舎のいいところは何でしょう。 |
| 山東(夫) | 私は生まれたときからずっとこの景色ですからもう見飽きてね、 すぐ退屈してしまうんです(笑)。 店をやってなければ退屈を通り越していたでしょう。 こんな田舎に喜んで来てくれるお客さんがいて、おしゃべりができる、 これほど楽しいことはありませんね。 お客さんを通じて、何年経っても変わらない田舎がどんなに貴重か教えてもらっています。 |
| 弓手(ひろ) | そんなお店、いったいいつまで続けるのかお二人で話し合ったりされますか。 |
| 山東(夫) | 実は今朝も「いつまでやれるやろか」と話し合ったところなんですよ。 毎年来てくださるお客さんがあるので、 元気でいられる限り百歳になっても辞められないね、 っていうのが二人の結論です。 |
| 山東(妻) | 主人はお医者さんからストレスがないから100まで生きると マジでいわれているんですよ(笑)。> |
| 弓手(陽&ひろ) | 100までだと、まだ30年近くありますね。 リピーターのお客様がいつふらっと立ち寄っても、相変わらずのおしゃべり 当分大丈夫ということがわかって安心しました。 (おわり) |


卑弥呼庵
山の辺の道・柳本で山東政幸さん伊勢子さんご夫妻が営む
和風民家の自宅をそのまま使った喫茶店。
政幸さんが定年退職した平成10年に開業。
メニューは
「抹茶(和菓子つき600円)」と「和風コーヒー(400円)」だけだが、
話し好きなご夫婦とのおしゃべりやのんびりと長閑な風景に浸りに
日本全国から訪れるファンが絶えない。
所在地:天理市柳本町2994(R169渋谷バス停より東へ徒歩8分)
電話:0743-66-0562
営業時間:9:00AM~17:00PM






