東大路丸太町の交差点のバス停は熊野神社前。一つ北側のバス停が近衛通りで下宿はこの中間ぐらいにありました。バス停の近くに、昔ながらの商店街があって休日にはそこの魚屋さんでよく買ったのが鯉の洗いを一人前。別に鯉の洗いが大好物なわけじゃないから、値段的に手ごろだったんでしょうね。天気のいい日には、そのまま自転車に乗って、平安神宮あたりまで足をのばしたこともあります。でも、私の中ではこのあたりは「木々が鬱蒼として寂しい」イメージで特にこれといった色鮮やかな思い出もなく、そう、色でいったらグリーンに近い灰色。それでも今日ここまで足をのばしたのは、美味しいチョコレートが食べたかったから。
地図を片手に探し探してたどりついた先は、平安神宮近くの閑静な住宅街にある「京都生ショコラ」。ここのオーナーはホテルオークラやニューヨークの日本総領事館で料理を作っていたスゴイ人なんだそうですが、店の表にも中にもそんな堅苦しい雰囲気はどこにもありませんでした。築100年の町家は改装したというよりも、そのまま気持よく使ってますという雰囲気。玄関で寝そべる門番のジャツキーの脱力スタイルが店内のゆるやかな空気をさらにゆるめています。部屋に入ると、猫のみゃおみゃおまでがテーブルの間をのそのそ歩いてて、こりゃぁ、動物好きにはたまらん歓迎です。
日本文化が大好きというオーナー夫人はカナダの人。自分の好きな「和」を自分風に庭や部屋に取り入れているのが、どこか日本人と違う感覚で面白いんです。本来の型にはまっていなものをキモチ悪く感じる人もいれば、逆に型にはまっていないところが心地いい人もいるでしょう。私はどちらかというと後者で、畳に足を投げ出し、背中を少し丸めながら、たっぷりはいったコーヒーのカップを両手で包む…。縁側の火鉢で煙をたてている蚊取り線香を見て、このアイデアいただきとボンヤリと考える…。そして、このゆったりとした時間に、ふわ~ととろける最高の生チョコがついてくるんです。 (ひろ)






