鉄馬ツーリングレポート’95.9

'95秋・四万十川を遡るの巻

ポンジュース礼賛

 四国ツーリング以来、今でもときどき言い交わすのが、「またポンジュースが飲みたいね」の合い言葉。缶ジュースや缶コーヒーを、あんなに美味しいと思ったのは初めてだった。往きの大阪・高知フェリーで味をしめて、ツーリング中よく飲んだが、どれを飲んでも当たり外れというものがない。なぜ、大阪ではあまり売っていないのか不思議だ。

四万十川・柳瀬温泉

 高知・四万十川ツーリングのきっかけは、アウトライダー誌で四万十川上流の柳瀬温泉に泊まったレポートをみて行ってみたくなった。日本最後の清流を遡るというルートが気に入ったのだ。早朝高知に着いて、鯨も泳ぐという南国土佐の太平洋岸を軽快にとばして足摺岬まで一気。おかげで四万十川河口からは、所々川原にも降りてオフロードを楽しみ、長閑な風景にどっぷり浸ることができた。川の流れが多くなると水面下に潜ってしまう沈下橋も多く、自然を無理に組み敷こうとしない川と人のありように心が和む。

 柳瀬温泉は純朴な一軒宿。四万十川の手長エビ、アマゴ刺、アマゴ背ごし(スダチ酢の物)、アマゴ南蛮、鮎塩焼きと四万十の幸豪華版をさりげなく引き立てるのが、シソ風味沢庵、ナス味噌和え、ジャガイモの味噌汁といったアットホームな味。お酒は土佐鶴を冷やで。地元向けの普通酒だったが、料理とマッチングはよろしく美味しくいただく。温泉は手作りとおぼしき岩風呂。釣りや猟の客のもてなす精一杯の心尽くしが感じられた。別荘感覚で定宿にしている人に支えられている宿なのだろう。
 [柳瀬温泉 TEL 0880-28-5530 休館季もあり要予約]

 

高知・皿鉢料理

翌日は、眠くなるほど単調な四国カルスト辺りの山道を巡って、前日通過しただけの高知入り。途中佐川町の司牡 丹酒造に立ち寄る。敬老の日とあって醸造元はお年寄りの集まりに振る舞うお酒の配達で大わらわであった。聞けば、全国に名だたる酒豪の国高知では、未だ品質は本醸造に近い普通酒のニーズが高く、司牡丹でも全国向けにはきちんとした純米・本醸造路線を確立しているが、地元への浸透にはまだ時間を要すそうだ。

 高知の夜は皿鉢料理。ハチキンとして名高い高知の女性は、男性と対等に酒を酌み交わすのが習い。このため大皿に、刺身や姿寿司を豪快に盛りつけ、女の人が立つ必要のない皿鉢料理が生まれたとか。中でも藁の炎で表面を焼いたのたたきは、分厚い切り身で山のようなニンニクスライスを豪快にはさんで食すのが高知流。翌日人に会っても「昨日やりましたね」と微笑んでくれるので、高知にいる限り強烈な臭いを気にしなくてよい。これは以前の取材時に経験済み。今回はさすがに、ほんのちょっとだけにしときましたけど。

台風に追われて吉野川を下る

9月のツーリングに台風はつきもの。最終日は高知から大歩危、小歩危を経由して吉野川沿いを一路小松島へ。雨には追いつかれたものの、何とか欠航前のフェリーで和歌山へ滑り込み。

 このツーリングの反省としては、靴の中が洪水状態になり、合羽以外にブーツカバーの必要性を痛感したことでした。それから、皿鉢料理は、公共の宿で特別メニューを頼んだため、定食まで付いてきて、あまりのボリュームに閉口した。今後は予約時にきめ細かく確認のことと、アルバムの中にメモで申し送っておりました。

メモ・'95.9.13〜16 
陽&HIRO 「高知四万十ツーリング」
・マシン
陽:KAWASAKI KLR250
HIRO:YAMAHAセロー
・バイク走行距離751キロメートル。
・往復フェリー
・宿2泊含む総費用:2人で88,802円




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